『移籍違約金から見る新生・日本代表選手の市場価値』について

あえなく新生・森保ジャパンの準優勝という結果で幕を閉じた2019AFCアジアカップ。この結果を受けて、優勝したカタール代表をはじめ良き戦績を残した代表チームが軒並みFIFAランキングを大きく上げた。(もちろん欧州、南米のチームが同時期に公式戦を行っていない影響もあるが)

日本代表チームは、大会前50位だった順位を27位にまで上げた。(※2019年2月7日FIFAランキング現在)

これによる影響からなのか、惜しくもAFCアジアカップ本大会には出場できなかった日本代表の10番・中島翔哉選手が大会前の選手移籍市場価値で推定移籍違約金22億円と算出されていた中、なんと今冬で行われた移籍の中で9番目に高額な推定44億円で移籍したのは驚きであった。これは日本人選手として移籍市場最高値の取引であった。

そもそも「移籍違約金」とは、何かと申し上げると、簡単に言えば携帯電話で言う中途解約金である。Aというチームと契約中のB選手がCというチームからオファーを受けて、籍を移す場合、新規契約元のCというチームは、現契約先のAというチームに移籍違約金を支払わなければB選手を獲得できない。

果たして、中島翔哉選手は怪我の影響もありアジアカップ本大会には出場できなかったにもかかわらず日本代表チーム自体はFIFAランキング上ではかなり評価をあげた。この2つの出来事に因果関係はあるのだろうか。以下検証してみた。

 

【FIFAランキング27位の代表チーム・背番号10番の選手価値】

比較ケース①

2018年12月20日現在のFIFAランキング27位

スロバキア代表・背番号10番、ミロスラフ・スラッフ選手(29歳)

史上最高選手移籍市場価値 約15億円

実際の過去最高取引額 約7億円

 

比較ケース②

2018年10月25日現在のFIFAランキング27位

ウクライナ代表・背番号10番、イェウヘン・コノプリャーンカ選手(29歳)

史上最高選手移籍市場価値 約31億円

実際の過去最高取引額 約15.5億円

 

比較ケース③

2018年6月7日現在のFIFAランキング27位

セネガル代表・背番号10番、サディオ・マネ選手(26歳)

史上最高選手移籍市場価値 約94億円

実際の過去最高取引額 約51.5億円

(※推定価格は、全てhttps://www.transfermarkt.com/を参照。)

 

直近1年以内のFIFAランキングで比較しても、数字にはかなりのバラつきがあるものの、偶然にも昨年行われた2018FIFAW杯ロシア大会で見事日本代表が勝利したセネガル代表チームがW杯の行われる直前のランキングで現在の日本代表と同じ27位であった。その代表チームの10番はイングランドプレミアリーグ・サウサンプトンで日本代表・吉田麻也選手ともチームメイトであった現・リバプール所属のサディオ・マネ選手である。

 

2018年は11回FIFAランキングが発表されたが、その都度27位にランキングされた代表チームの10番の選手の過去最高取引額を平均したところ約23億強となった。この平均値より今回の中島翔哉選手の移籍金推定44億円は2倍近い額となる訳だから、日本代表チームの現在地は過小評価されているのかもしれない。

 

移籍違約金は、ひとりの選手のその時点でのパフォーマンスやその選手の所属チームの価値に大きく影響を受けるものの、中島翔哉選手に今回つけられた価値や日本代表チームへの評価が適正価格または真の実力として世界大会で結果が伴うのか、最新FIFAランキング20位以内に3位のブラジルはじめ5チームがランクする南米各国が出場し、日本代表チームも20年ぶりに招待国として出場する今年6月から始まるコパ・アメリカ(南米選手権ブラジル大会)から目が離せない。このコラムの続きは、コパ・アメリカが終了し、大会後のFIFAランキングが発表された時点で改めて検証してみたい。


2019年2月18日(月曜日)


2月.18.2019(月曜日)